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Webマーケティングの事業会社と広告代理店とは?それぞれの違いを解説

2022年12月27日

未経験からWebマーケティング業界に転職したい方の中には、以下の疑問を持っている方もいるでしょう。

事業会社と広告代理店があるけど、どっちに転職しよう?

事業会社と広告代理店のWebマーケティングの違いは何?

事業会社のWebマーケティングは自社の商品やサービスを扱うのに対して、広告代理店は他社のWebマーケティングを支援するのが大きな違いです。

今回は事業会社と広告代理店のWebマーケティングの違いを解説します。Webマーケティング業界に転職したい方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 事業会社と広告代理店の仕事の目的・仕事内容・働き方の違い
  • 事業会社と広告代理店それぞれに向いている人の特徴
  • 事業会社と広告代理店のWebマーケティング職の年収目安

Webマーケティングができる会社

Webマーケティングを扱う会社は大きく分けると以下の2種類があります。

  • 事業会社
  • 広告代理店

それぞれ解説します。

事業会社

事業会社とは自ら事業を行っている企業を指します。自動車や家電製品メーカー、インターネットを提供する企業などが主な例です。事業会社のWebマーケティングでは、自社の商品やサービスをマーケティングします。

社内にWebマーケティング専門の部署があるのも事業会社の特徴です。また広告代理店と連携を強化している事業会社もあり、Web広告運用やWebコンテンツ制作などの一部を外注している場合もあります。

広告代理店

広告代理店とは他社のマーケティング活動を支援する企業のことです。また広告代理店は下記のように、いくつか種類があります。

  • 総合広告代理店
  • 専門広告代理店
  • ハウスエージェンシー

総合広告代理店はテレビや新聞、Webメディアなど、あらゆる広告媒体でのマーケティングを取り扱います。専門広告代理店は特定の媒体に特化してマーケティングする広告代理店です。インターネットが急激に普及してから、Web広告を専門に扱う代理店は増え続けています

ハウスエージェンシーは特定の事業会社専属の広告代理店です。大手企業の広告宣伝部、広報部などが分社化している場合が多く、主に親会社や関連会社のマーケティングを行います。

「事業会社はつまらない」と広告代理店に転職する人もいる

Webマーケティング未経験から事業会社に転職できたとしても「つまらない」と感じて、すぐに広告代理店に転職してしまう人もいます。「事業会社はつまらない」と感じてしまう理由は、主に以下があげられるでしょう。

  • Webマーケティング以外の仕事が多い
  • スピーディーに業務を進められない
  • 専門的なスキルが身につかない

事業会社では毎日、Webマーケティングの施策や実行に集中して取り組めるわけではありません。会社の予算に対しての実績を分析・改善したり、契約書を作成したりといった業務もあります。また一つの案件を進めるために複数の部門や社内関係者との調整が必要な場合もあり、スピーディーに物事が進まないのも実情です。

さらに事業会社では専門的なWebマーケティングスキルが身につきにくい面もあります。「もっとWeb広告運用を極めたい」「最新知識を使って複数の案件で施策を試したい」と思う人には物足りなさを感じてしまうかもしれません。

とはいえ、事業会社は「つまらない」と感じる面ばかりではないでしょう。転職する前に、事業会社と広告代理店の違いを知っておくことでミスマッチも防げます。どちらが自分に向いているのか、どのような働き方をしたいのかイメージするのも重要です。

事業会社・広告代理店のWebマーケティングの違い

事業会社と広告代理店のWebマーケティングの違いを以下の3点に分けて見ていきます。

  • 仕事の目的
  • マーケティングの領域
  • 働き方

仕事の目的

事業会社と広告代理店の主な仕事の目的を表にまとめました。

 事業会社広告代理店
仕事の目的事業の売上や利益の向上コストを抑えてマーケティングする広告予算を増やすクライアントの経営を支援

事業会社は自社の商品やサービスをマーケティングして売上アップや利益の向上を目指すのが仕事です。自社の予算でマーケティングするため、企業によってはコストがかかる部署として扱われる場合があります。

広告代理店はクライアントの商品やサービスなどをマーケティングし、クライアントの経営を支援するのが仕事です。広告代理店の利益はクライアントの広告宣伝費が大きな割合を占めるため、広告予算を増やすと社内的に評価される傾向にあります。

仕事内容

事業会社と広告代理店の仕事内容の違いは以下のとおりです。

 事業会社広告代理店
仕事内容自社のマーケティングに深くかかわるターゲット選定、Webマーケティングの企画・立案、予算の作成、施策の実行・分析などの工程を幅広く担当さまざまな業種、商材のマーケティングにかかわれる特定分野を専門的に担当

事業会社は自社のマーケティングに継続的にかかわれます。またWebマーケティングの企画から運用まで、すべての工程を担当できる事業会社も多いでしょう。しかしマーケティングの領域は会社によっても異なるため、事業会社によってはマーケティングリサーチだけ、Web広告運用だけなどと担当する業務が決まっている場合もあります。

広告代理店のWebマーケターは、複数の案件にかかわれるのが事業会社との違いです。また特定分野のサポートをする機会が多い傾向にあります。たとえばWeb広告運用やデータ解析など、より深い知識を使って専門的にクライアントのWebマーケティングをサポートします。

働き方

事業会社と広告代理店の働き方の違いは以下のとおりです。

 事業会社広告代理店
働き方自社事業の案件のみ担当 ワークライフバランスをとりやすい複数のクライアントの案件を担当 業務量が多い

事業会社は特定の商品やサービスのマーケティングを担当する場合が多く、比較的ワークライフバランスをとりやすい傾向にあります。他の部署や上司の要望を取り入れながら業務を進める必要はありますが、一人で多くの案件を抱えることや残業が続くことは少ないでしょう。

広告代理店のWebマーケターは、一人で複数の案件を抱える場合があります。担当する案件が多いと、進捗管理やレポート作成だけでも多くの時間を取られてしまい毎日残業する人もいるのが現状です。またクライアントの突発的な要求に応える必要があり、自分のペースで業務を進めるのは難しい面があります。

事業会社・広告代理店のWebマーケティングに向いている人

事業会社と広告代理店の違いを踏まえて、それぞれに向いている人の特徴を解説します。

事業会社に向いている人

事業会社のWebマーケティングに向いている人は、主に以下のとおりです。

  • 特定の商品やサービス・業界が好き
  • 一つのことにじっくりと向き合える
  •  Webマーケティング以外にも事業全体に興味がある

事業会社のWebマーケティングは自社の商品やサービスを扱います。そのためマーケティングする商品やサービスが好きな人は、ユーザーの心理も想像しやすく効果的なマーケティング施策を打ち出しやすいでしょう。

また特定の案件を数年単位でマーケティングすることがあるため、一つのことにじっくりと向き合い、成果をあげられるように試行錯誤する姿勢も大切です。

さらに事業会社は売上に直結する製造や販売などの部門が会社の中心である場合が多く、Webマーケティング部門に求められることは自社のサポートです。Webマーケティング以外にも事業全体に興味を持てる人は、事業会社のWebマーケティングに向いているでしょう。

広告代理店に向いている人

広告代理店のWebマーケティングに向いている人は以下のとおりです。

  •  新しいことが好き
  • 情報処理能力が高い
  • 常にスキルアップしたい

広告代理店は、さまざま商品やサービスのマーケティングを担当することから常に新しい情報を得やすい環境にあります。新しいことが好きな人にとって広告代理店のWebマーケティングは、やりがいをもって働ける可能性があるでしょう。

また一人で複数のクライアントの案件を担当する広告代理店のWebマーケターには、情報処理能力が求められます。全体を把握して必要な情報を抜き出し、的確に判断するスピーディーさがあると複数の案件を抱えてもスムーズに働けるでしょう。

広告代理店ではクライアントの利益に貢献するため、最適な方法を模索しマーケティングする必要があります。さまざまな業種・規模の案件にかかわることでWebマーケティングのスキルアップも可能です。

Webマーケティングの平均年収

Webマーケティング業界の平均年収は約500万円です。民間企業に勤める人の平均給与は443万円であることを考えると、Webマーケティング業界の年収は民間企業の平均よりも高い傾向にあります。

しかしWebマーケティング業界の中でも、事業会社と広告代理店でも年収が異なります。それぞれ分けて見ていきましょう。

事業会社のWebマーケターの年収

事業会社のWebマーケターの年収は約500万円前後です。事業会社は商品やサービスの利益率次第で給与が異なるため、大手企業や外資系企業ほど年収は高い傾向にあります。

大手企業のWebマーケティング部門で管理職になれば、1000万円前後の年収を得られる可能性もあるでしょう。外資系企業ではWebマーケターの実力を重視するため、実績次第で収入アップしていくのも可能です。

広告代理店のWebマーケターの年収

広告代理店のWebマーケターの年収は約300万円が相場です。管理職では約500万円〜700万円前後の年収を得られるでしょう。

しかし実績や実力次第で年収アップも不可能ではありません。たとえば成果をあげてクライアントの利益に貢献、大型案件を受注、広告賞を獲得などの実績があれば評価されやすく年収にも反映します。また年齢が若くても実力があれば昇進も可能です。

Webマーケティングの転職先を探すには

Webマーケティングの転職先を探したい場合は、転職サイトや求人検索エンジンを利用してみましょう。会員登録をしなくても求人検索や閲覧ができます。

Webマーケティングの求人を探せる主なサイトは以下のとおりです。

  •  エン転職:転職ノウハウやお役立ち情報が豊富な転職サイト
  •  doda:大手企業、年収500万円以上などの求人が豊富、企業のクチコミ検索ができる転職サイト
  • リクナビNEXT:未経験者歓迎の求人も探しやすく、転職成功のノウハウが得られる転職サイト
  •  Green:IT・Web業界の求人を見つけやすい転職サイト
  •  Indeed:求人サイトや企業の採用情報ページの求人情報をまとめて閲覧できる大手求人検索エンジン

複数のサイトを閲覧しておくと、希望にあった求人を見つけやすくなります。また会員登録すると転職に必要な情報を得られる場合があるため、目的に応じて登録して利用してみましょう。

目標を明確にしてWebマーケティング業界へ転職しよう

事業会社と広告代理店のWebマーケティングの違いは大きく分けると2点です。

  • 事業会社は自社のWebマーケティングを幅広い領域で行う
  •  広告代理店は他社のWebマーケティングを専門的に支援する

上記2点を踏まえ、Webマーケティングで「何をやりたいか」「どんな働き方をしたいか」など具体的な目標を持つと転職活動もスムーズに進みます。事業会社と広告代理店のどちらで働きたいのかを明確にしてWebマーケティング業界へ転職しましょう。

  • この記事を書いた人

北山貴郁|Sicuro株式会社代表取締役

Sicuro株式会社代表取締役。 インターネット広告代理店でキャリアをスタートし、広告運用・新規営業などの業務を行う。その後、教育系ベンチャー企業にて教育サービスの責任者として、Webマーケティング戦略立案・プロモーション施策(インターネット広告・コンテンツマーケティングなど)・プロダクト開発に携わる。 2022年11月、Sicuro株式会社を創業し、業界問わず様々な企業様のwebマーケティングの支援を行う。

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